【マニアックネタ】メンテナンス好きは知っておきたいグリスの基本について

【リールメンテナンス】

普段人間が口にする食品に関しては内容物の表示義務がありますが…

工業用品のグリスは割と緩く、曖昧な表示にとどまっていることが多いです

釣具用のグリスは往々にして後者になっており、あまり知られていないことがほとんどです

耳障りの良い曖昧な表現は、ある意味で健康食品などと同じく効果が怪しい感は否めません

今回は釣り業界ではあまり明るみに出ない、グリスについて考察したいと思います

グリースとは(JIS)

原料基油に増ちょう剤を分散させて半固体または固体化したもの
特殊な性質を与える他の成分が含まれる場合もある
(※共同油脂社Webサイトより引用)

潤滑剤の分類

潤滑剤を形態で分類すると、グリースは半固体状潤滑剤に分類されます
・液体潤滑剤・・・潤滑油
・半固体状潤滑剤・・・グリース、コンパウンド
・固体潤滑剤・・・二硫化モリブデン、グラファイト など
(※共同油脂社Webサイトより引用)

増ちょう剤別 特徴一覧

※モノタロウWebサイトより

分かり易く表現すると、お好み焼き屋クレープで言うタネの種類です
粉次第で味や焼き上がりの固さに変化があるように、グリスを構成する意味でもキャラが出やすい部分です

オイルをどのような条件下で保持し続けられるか?という役割を担っています

基油別 特徴一覧

※モノタロウWebサイトより

上記に合わせて言えば、だし汁や溶き卵などのような位置づけです

ベースオイルの性能がグリスの性能を決定づけます

こちらも使用条件に合わせてみると、向き不向きが見えてきます

ちょう度 一覧

※モノタロウWebサイトより

ちょう度とは一定条件でのグリスの固さを図る尺度です
数字が大きくなるほど固くなります

表を見てもらうと分かりますが、ちょう度範囲が広く、全く同じ硬さには調整できない点です
これはグリスという特性上、一定に製造することは不可能なようです

通常の釣りであれば、ちょう度0~2番までが使われています

油脂メーカーさんに聞いたところ、3番以降は工業用の大きな歯車などに使われるそうです
またちょう度0番もロボットのマイクロアームに使われており、これ以上軟らかいグリスは釣りには向かないそうです



市販釣具用グリスの謎

-と、ここまでJIS規格から見たグリスの基本をまとめたわけですが…
残念ながら、釣り関係でグリスのベースオイル・増ちょう剤に関しての表示はほとんどされていません

各社こだわり(!?)のノウハウを明かすことができないようで、非公表なものが多いです

逆を言えば、ベースオイル・増ちょう剤の記載があるものはある程度(!?)信頼のおけるものと言えなくもないです

少なくとも私は内容物は知っておきたいタイプです

汎用グリスのデメリット

よく見かけるジャバラ状タイプ

ホームセンターで売られている汎用グリスなどは、産業向けが多く上記の表に当てはまっており、リールに多く使用されているゴムパーツへの攻撃性が懸念されます

使い立ては何も問題はなくとも、時間が経ち内部のゴムパーツが侵される危険性をはらんでいますのでご注意ください

そういう面でも”釣具用”として販売されているものは信頼がおけます

まとめ

あまり知られることがすくないグリスですが、特徴を知ることでリールを長持ちさせることができます

次回はおすすめのグリスについて解説したいと思っています



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