【リールオーバーホール】名機19ステラSW8000HGを整備しました

【リールメンテナンス】

釣り好きの後輩から「調子を崩したリールをメンテナンスして欲しい」とお願いされました

雨天&時化続きで時間を余しているので、ステラSWを1台預かりました

今回は現行型の19ステラSWです



釣り過ぎ…

御蔵島初挑戦で6本…。

ワラサはリリース含め30本以上…。

預かる時に聞いた限りで…

・購入から半年
・使用は4~5回
・釣った魚…キハダ6匹、ワラサ約40匹

短期間に釣りまくった感じです
一回の釣行で沢山釣るので、リールに掛かる負担は非常に大きいです

いくらステラSWと言えど、短期間にこれだけ釣れば…不調を来たしますね

整備開始


さっそくバラバラにしていきます

見た目は似ている13SWと19SWですが、細かく見ていくと別物のリールになっています

細かい部分が変更


13ステラSWから変更点が多いです
見た目は同じ雰囲ですが、内部がかなり変わっています


13ステラSWからの変更点

■ラインローラー■
→ゴムパッキンで挟み込む構成
→オープンベアリングになっている


ラインローラー側の反対に移設されています

■ベイルアーム■
→バネ類が反対側に移設


今までは治具が必要だったので、ユニット式で整備性が向上しています

この方式で支持剛性も向上していそうです

■クラッチユニット■
→旧型(~13)は剥き出しタイプで治具必須
バネとカラーがバラバラにならないので嬉しい(笑)


メタルパーツが簡略化してシンプルな構成に

ローターナット中心部も樹脂パーツで保持

■インフィニティドライブ■
→ピニオン周りが簡略化している
→21ツインパとはパーツが微妙に違う


新型になって整備性は非常に向上しました
以前よりも気楽に作業ができるようなったのは嬉しいです^^

しかしインフィニティドライブは本当に興味深いですね
主軸を樹脂パーツを介すだけで、これだけ巻き心地の向上とトルクアップが出来るのだから本当に不思議です



分解作業

ここからが本番

どんどん分解していきましょう

メーカー出荷時のグリス量はこんな感じが多いです

冬から春の使用なのでグリス落ちはありません

ここは余分なグリスが散見していますね
さすがに購入から半年程なので、油分は異常なしです

ベアリングは不採用になっています

パーツ構成が違いますね

こんな部分も微妙に変更されていますね

診断結果は…

一個一個動作を確認します

開けられるベアリングは開封します

・ピニオンギアBB(A)…1個ガタツキ
・ドライブギアBB…1個ガタツキ
※ハンドル取り付け側

釣り過ぎたことでベアリングが2個ダメになっていました

診断結果を連絡し、話し合いの結果…今回はベアリング交換はせずに整備して戻すことになりました

正直、このくらいのベアリング状態なら私も再使用してしまいますけどね

ベアリングはいつも通り、ナスカルブで被膜コーティングした後にグリスを充填です

 

清掃作業

ひたすらグリス汚れを落とします

これでシャッキリとした動作になります

ここもグリスが溢れており、ローターストッパーまでグリスまみれでした

こうなるとベイルを返した時にローターが止まらないので危険です

調整+調整

 

シマノリールは素性が良いリールなので、ちょっとしたことが巻き心地に出ます

組みあがったときに余分なグリスが無いように組み上げるのが好みです

今回もベアリングが摩耗した状態での組み直しなので、ワッシャ調整に時間が掛かりました

組み上がり

今回は耐久性重視のリクエスト

今回は
・ベアリング交換なし
・グリスは耐久性重視

-というリクエストで組み上げました

基本的にメーカーは”一年一回オーバーホール”の推奨をしていますが、やはり釣りの頻度や対象魚の釣果や海況で差が激しいです

今回の場合だと、2~3回釣行した時点でメンテナンスしていた方がよかったですね^^

週1回ペースで釣行される方なら”2~3ヶ月でオーバーホール”した方がパーツを損傷させることが減るので、返って安価にリールを維持できるのでご参考にしてください

使用ケミカル

耐久性重視の仕上げにはナスカグリスがお気に入り

         


ベアリング清掃&充填作業には必須アイテムです

動画

文章では分かり難い方は動画もご覧ください

他にも分解整備動画がありますので、ご興味ある方は動画リンクからご覧ください

リールメンテナンス業もやっています^^
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【整備収録機体】
・09ツインパワーSW65000HG
・13ステラSW14000XG
・16キャタリナ6500H
・10ソルティガ5000H
ほか
細かく写真で確認でき、手順もバッチリ掲載されているのでメンテナンス初心者・入門者にも安心の内容です
必要な工具の紹介まで充実の内容で、持っておいて損のない一冊となるでしょう^^

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