いよいよメルカリで手に入れた03オシアジガーNRを整備していきます
11年式や17年式のネット情報は多いですが、さすがに03年式ともなると情報がほとんどないです
現行品の造りを参考にしながら、手探りで作業していきます
整備前の症状

それなりの経年劣化はみられます
・ローラークラッチが甘い
・ギアノイズが少し大きい
・ドラグが不安定
それでも年式を考慮すれば、動作は良い方ですが…整備すればまだまだ良い所に持っていけそうです
必要な工具

必要な工具は少ない
・+ドライバー#0#1#2
・−ドライバー#1#2
・11mmメガネレンチ
・ピンセット
11mmなんてマニアックなサイズは持っていないので、今回はモンキーで代用しました
(ハンドルのナットを外す為に必要です)
作業開始

メーカーWebサイトより
小型ベイトリールは今までに何機もやってきましたが、大型ベイトリールは初挑戦です(ティアノスはさらに大型)
旧い機種なので、心配なら画像を撮りながら作業したり…
メーカーサイトのパーツリストを参考にしながら作業すると間違いなく出来ます^^
分解開始

リテーナーナットは注意
リテーナーを取り外し、ローターナット11mmを緩めます

反時計回りで外します
スタードラグを緩めます

ピンの裏にスプリングがあります
この時に音出しピンの紛失に気を付けましょう

表裏も確信しておきます
ワッシャ類は順番にしておくとよいです

対角線上に徐々に緩めます
8箇所ねじを緩め、本体カバーを取り外しました

汚れは少ない
こちらもどんどんパーツを外していきます
2箇所ねじを緩め、ストッパーツメも取り除きます
クラッチレバ―関係で一通り取り外せました
各パーツをチェック
ギア廻りのグリスは鮮度が落ちています
ドラググリスも緩い感じ
海水の影響?かシャリ感も出て、回転動作も悪いです
それでも汚れはすくなく、使用頻度自体は少ない印象を受けます
ローラークラッチ不調の原因はこれですね
インナーチューブに薄っすらと茶錆がオイルと一緒に滲んでいました

Dギア座面に傷が出ています
ドラグはかなり危ないというか、油分がありませんでした

メーカー在庫がない
グリスが飛んでいるので、スラッジが大量に発生していました
このまま使っていたら確実に摩耗や破損に繋がっていましたね

ここまで分解できました
他にも画像は撮りましたが、掲載が多いのでこの辺で一区切り
大まかに分解できたので、あとは個別に分解・洗浄していきます
洗浄

古いグリスや海水汚れを一掃
クリーナーで各パーツを洗浄していきます
ドライブギアとピニオンギヤは大きな摩耗は見られませんが、全体的に黒ずみが進んでいます

腐食の影響が大きい
巻き心地は多少ザラつきますが、釣りには問題ありません
ドラグディスクは油分が完全に飛んでおり、ドライな状態になってスムーズに回りませんでした

まだまだ使えそう
一枚一枚きれいにしていきます
各パーツもボディもクリーナーで隅々まできれいにしました
グリス塗布

耐圧・せん断性に優れたナスカグリースEP
大型ベイトリールのデータがないので、どのグリスにするか悩みましたが…
小型ベイトリールの経験からナスカグリースEP(ハード)を選択しました
スピニングだと目立つ巻き心地の変化も両軸リールの構造・トルクで気にならないので、ギア歯面の保護力の高いナスカグリースEPに軍配が上がりました

摺動部はソフト
各部の金属摺動部はナスカグリースEP(ソフト)
(金属面に対して被膜形成効果)
ハンドルノブ周辺はDG06を使い分けました
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ドラグ整備

高粘度・高負荷に強いDG12
カーボンワッシャ?なのかは、分からないですが多板ドラグなのでDG12を採用

満遍なく塗布
ドライ状態からきっちりグリス塗布したので、しばらくは若干緩い症状が出るかもしれません
シマノ(SHIMANO) 純正 サービス用 グリス DG-1 30G 03394DG12
ハンドルノブ

多すぎるグリスはこういうことに…
緑青錆が発生していました
グリスもかなり詰め込まれており、これが原因で海水抜けが悪く錆に発展した模様です

シャリシャリしていました

被膜効果が高いナスカルブ
ベアリングはいつも通り、ナスカルブでトリートメントして被膜形成させます

規格が古いシャフト
シャフト長は45mmですが、先端が♂ネジになっており現行の♀ネジではないです
出来れば現行のパワーグリップを搭載したいたころですが…何とかならないでしょうか?
NASKA LUB 超極圧潤滑剤 スプレー 無塩素 420ml
組み上げ

ドライ気味に仕上げていきます
外した順番と逆に組み上げます

グリス量はよい感じ
実はこの画像で大きな間違いを犯しておりました(汗
一度、組み上げ異変に気付き…元に戻すために再度組み直しました
(画像を残しておいてよかったです)

ちょっとコツが必要
最後の作業注意ポイントは”ピンをワッシャで押さえた状態”にしてスタードラグを回し入れることくらいです
完成

シンプル構造で作業も簡単でした
初めての作業で確認しながらのフルオーバーホールで、時間はおおよそ2時間強でした
ハンドルを回したフィーリングは、作業前に比べシルキーに戻りました
ギア歯の間にグリスがしっかりと詰まったことで、良いフィーリングになっています

有効値5~6kgは欲しい
ドラグの動きは引っかかりも無くなり、スムーズに動くようになりましたが…やはり若干最大値が低い印象
余分なグリスは使い込むうちに、自然に省かれていくでしょう
とにかく各部スムーズに稼働するようになったので、実釣へ持ち込める状態になりました
ハンドルに関しては調べてなんとかしたいところです…
(現行品と軸径とネジ留め方式が違うので、このハンドルを使うのは無理そうですが)


現行品は整備もハンドルも気にしなくて大丈夫です(笑)
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