今回の整備はいつもと毛色が違い、大型レバードラグ付き両軸リールの作業です
このテの両軸リールは今までに経験はなかったのですが、お世話になっている船長から『やってみて』というお願いだったので挑戦することになりました
症状としてはどこが固着しているようで、ハンドルを回すたびに引っかかりがあります
ハンドル回転時もゴリゴリと音が鳴っており、グリス切れの症状も出ています
スペック
番手 | ギア比 | 最大ドラグ(5kg) | 自重 | スプール径 |
20 |
5 | 14 | 1020 | 73/48 |
糸巻き量PE | 最大巻上長 | ハンドル長さ | ベアリング | 定価 |
10-390,12-320,14-230 | 114 | 85 | 4 | 40,000円 |
・レバードラグ搭載
・低価格
・頑丈
三拍子そろった廉価良リールです
故に相模湾のコマセキハダ・カツオのエントリーモデルとして人気です
またその価格から船宿さんのレンタルタックルとしても活躍しています^^
【送料無料】シマノ(SHIMANO) 08 ティアノス 20 08 ティアノス 20 SCMティアノス
分解
パーツ点数も少なく、構造もシンプルなので分解自体は非常に簡単です
サイドカップをサクッと取り外し
メインボディ側はプリセットツマミを反時計回しして、ドラグレバーを外します
ここまでいくとスプールがスルッと抜けます
本体Aの内部は、かなりの状態でした…
本来はストッパー固定板を2枚外し、必要箇所のボルトを緩めれば本体Aカバーが外れてくれるのですが…
長期間オーバーホール無しの機体で、奇跡の固着状態になっていました…
2時間ほど固着と闘いましたが、いっこうに外れる気配がないためこの状態で続行することにしました…
洗浄
各所から止め処なく錆が溢れ出て、パーツクリーナー1本を空にしてしまいました…
とくに本体A組が分解出来ないため、メインギア周りピニオンギヤベアリングが外れないので入念に洗浄しました
スプール軸のベアリング×3は見事にすべて錆で固着しており、回転不動状態でした…
とにかく固着の洗浄作業が大変でした…
激闘の末、ベアリングが回転する状態まで戻し、ナスカルブでコーティングしてグリスアップし、スルッと滑らかに回転する状態に戻せました
化研産業 潤滑剤 NASKALUB ナスカルブ 超極圧潤滑剤 ミニ原液タイプ 20ml
グリス塗布
本来はティアグラ等の大型両軸リールはDG07専用グリスを用います
ピニオンギヤが収まるベアリングも同じグリスを使用します
やはり高負荷·せん断性の高いものとなるので、専用グリスが望ましいです
今回は社外の《化研産業》ナスカグリースEP(ハード)を使用しました
ピニオンギヤもベアリングも、錆の被害でかなりゴロついていましたが…極圧剤配合のナスカグリースEP塗布後は…ゴロ感も減りスムースに回るようになりました
ナスカグリースEPは工業用でもっと大型の歯車でも使われており、高負荷&せん断性は群を抜いています^^
ナスカグリース EP 20g ハードタイプ ナスカルブ EP240
ドラグも整備
スプールのユニット内にあるので、キャップリングのボルト六ヶ所を緩めて分解します
ドラグ板とドラグワッシャを外し、クリーナーできれいに清掃
カーボンワッシャ用のDG12を塗布しました
(本来はDG09の方が良さそうです)
完成&まとめ
各パーツを元に戻して作業完了です
各部動作の点検も良好で、ドラグもスムーズに出るようになりました
まだまだレンタルで頑張ってくれるでしょう^^
ちなみにメーカーでの修理不能が差し迫っているので、パーツ供給も終了が近づいています
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