【経年劣化】真鍮ギアの黒ずみをきれいにする※自己責任作業

【リールメンテナンス】

先日、中古で購入してキハダも釣って気に入っている03オシアジガーNR2000ですが…

なんと同じ機種がもう一台増えました!

お世話になっている業界の大先輩から“部品取りにどうぞ”-と、いただいてしまいました(多謝)

ご本人は「もう使えないからー」と仰っていましたが、悪い虫が疼いてしまい…整備することにしました

アウトドア&フィッシング ナチュラム



貰い物リール

いただいた03オシアジガーNR2000ですが、現役を退いて長く保管されていたことでやはり調子は悪いです

・ハンドルがガクガクする
・インフィニットクラッチが甘い
・巻き心地が悪い
・ドラグの効きが悪い

ただ筆者は『整備すればまだイケる』と直感的に思いました

どうせ部品取りでもパーツ確認は必要で、分解するので整備するのも変わりません(笑)

リールオーバーホール

クラッチカラーが茶色です…

馴れた機種なので、ガンガン作業していきます

しかも固着のダブルパンチ…

ハンドル軸のベアリングが完全に潰れていて、グラグラと動く状態でした

まだ使えそうです

ハンドル軸の固着以外はいたってスムーズに分解できました

こう見てもギアの黒ずみが目立ちます…

真鍮ギアの黒ずみ

クラッチが錆まみれだったので、当然のごとくドライブギアとピニオンギアも腐食まみれでした

いわゆる“黒ずみ”が多い状態です

ところでこの“黒ずみ”の正体は何ぞや?



真鍮とは?

まず真鍮ギアとは文字通り“真鍮”のギアです

真鍮とは…
銅と亜鉛の合金。展性&延性に富み、汎用性が広い

釣りおいてはギアに用いられることが多く、切削加工がしやすくコストも低く重宝されています

シマノ製のオフショアリールにおいては…

・ピニオンギアに超々ジュラルミン
・ドライブギアが真鍮

-と使い分けられています

古い機種は両方とも真鍮だったりします

黒ずみの正体

ピニオンギアも真鍮です

真鍮は腐食しにくい金属ではありますが、空気に触れることで酸化します

これが進むと黒っぽい色に変色していきます

また水分が加わることで“緑青”という錆が
発生してしまいます

釣りは真鍮にとって最悪な環境です(笑)

表面はざらざらしています

腐食が進むと表面に凸凹ができるので、当然ドラグワッシャに対しての攻撃性が高くなります

もちろんドラグ耐力も変化しますし、耐久性も落ちることは明白です

そして平面部分はなんとか磨けますが、細部の腐食には難点があります

そこで…

黒ずみ落としに

ここまで来ると簡単に落ちません

金属が酸化しているので、アルカリ性のもので中和してあげれば良いので…

真鍮のアクセサリーなどでは“重曹洗い”がポピュラーです

ただ10円玉の表面的なくすみにはある程度効果はありますが…

長期間保管された釣りのギアには力不足感が否めません

ーということで、今回は強力なやつを使ってみました

実際にやってみた

今回は身近なもので、一番強力な“サンポール”を使って作業します
※今回は敢えて浸透時間は伏せておきます
※自己責任となりますので、ご容赦ください

サンポールは塩酸が9.5%も入っています
これを利用して”表面のくすみ部分を溶かしてしまおう”という魂胆です

そっちの業界では”酸洗い”と呼ばれる作業に近いですね

真鍮ギアとクリックバネが実験台となります

漬けこみ時間は注意

マチ付きの袋に入れ、サンポール原液を流し込みます

量は少なくても問題ないです

アルカリ性の強い洗剤で

落ち具合を見て、サンポールから取り出したらすぐに流水で洗い流します

そのあとはアルカリ性洗剤に漬けこみ、塩酸を中和して酸の進行を中和させます

攻撃性が強く、ギアを痛めるので漬け込みは極力短時間で行いましょう



仕上がりは

きれいになりました

だいぶ輝きを取り戻し、腐食部分の面積も少なくなりましたが…

ギア溝は錆まで進行していました

残念ながら完全に除去はできませんでした

赤くなっているものは対処不能です

こちらは黒ずみを通り越し、錆に発展しておりこれ以上は無理そうです

まとめ

正直、自己満足感の強い作業です

本来、腐食や錆が強く出ているギアは交換することが前提です

やったところで元の巻き心地には戻りませんし、外から見えないギアをきれいにする意味は??

ーが『モノを大事に使う』という観点からは多いにあると考えています

用法・用量を守って

とくに絶版リールはパーツ供給がないので、整備でいかに良いコンディションを維持出来るかが大切になります

古いリールをお持ちで同じ悩みの方はぜひ参考にしてみてください^^



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