先日、中古釣具販売店に勤めていたころの後輩に合う機会があり質問を受けました
トンジギも流行っていて、マグロジギングに興味があって始めてみたいです
ーでも続くかも分からないので、なるべく低予算でタックルは揃えられますか?
挑戦は可能
出来るとも言えるし、出来ないとも言える…かな
参考までにどんなものがあるか教えてください
実際のところ昨シーズンの御蔵島ジギングのシーンではビギナーさんの乗船も数多く見られ、廉価モデルのタックルでキハダをキャッチされた方もたくさんいらっしゃいました
(後述するデメリットで大変そうでしたが汗)
後輩くんへのアンサーも含めて…
今回はマグロジギング入門者向けの廉価タックルをご紹介したいと思います
できれば上位モデルの方が良いに越したことはありません
少しでも多くの方にマグロジギングに挑戦して欲しいという気持ちで書いている点ご容赦ください
いつもの昔話
自身の失敗談ほど使いやすく擦れるネタはありません(笑
筆者が初めて相模湾でキハダ(目算15〜16kg)をヒットさせた時、いわゆる廉価タックルでした
・メジャークラフトのオフブロー58/4
・ダイワのシーゲート4000
特価品で買ったので合わせて25kくらいで手に入れたと記憶しています
当時はブラックバス・エリアトラウトがメインだったのでタックルへの力の入れ具合が伺えます(汗
ただこの一張羅でキメジ・カツオ・シイラ・ワラサ・サワラ・カンパチ…
オフショアに本格的に入れ込むまでは十分に活躍してくれました^^
✓ロッドのリフト力もない
✓リールの巻きトルクもない
結果は餌釣りの方とオマツってラインブレイクでしたが…
海面まで揚げてくるのに、めちゃくちゃ大変だったのは苦い思い出です
価格の差はどこにくる?
どんなスポーツ器具でも同様ですが、テニスのラケット、ゴルフのクラブ、自転車のコンポ·フレーム…etc
高いギアには必ず見合う性能があります
✓予算が1/2〜1/3で抑えられる
✓この釣りが合わなければ諦めがつく値段
今後、続けるかどうかも分からない釣りなのに『1セット10~15万で買ってください』というのはプロショップの店員さんにお任せいたします
往々にしてプロショップで道具をそろえる方は予算があるはずです
店主の釣具店店員時代のスタンスは…
『とりあえず釣りに行ってやって・釣ってみて判断して欲しい』
-という考えです
ですが、この釣りにハマった方は例外なくタックルを買い換えています(笑
その時はデビュー時のタックルを予備に回して、釣れた経験をもとに上位機種を買うというのが丸い考え方と提案していました
学生時代に汗を流したバドミントンのラケットも価格の性能差が顕著です
主なデメリット
✓パワー不足
→疲労感、リフト力
→リールの巻き取り力はジグの回収力に直結するので、疲労感に繋がります
✓耐久性不足
→とくにリールは顕著。パーツ耐久性は敵わないので、すぐにギアがゴロつくケースも…
→実勢価格二万以下のモデルだと青物ジギングでも一年持たないモデルも…
ちなみにフィジカルは必須でお願いします
ただでさえタックルパワーが足りません
アングラーのフィジカルも不足していたら…ツラい未来しかありません(泣)
青物兼用の提案
閑話休題。
釣具店の店員目線で提案例を挙げてみます
想定サイズ:〜20kg
合計金額…約50,000円前後
ロッド:グラップラーBB S60-4
⇒定価20,300円、実勢価格15,000円前後
リール:20ストラディックSW8000HG
⇒定価41,200円、実勢価格30,000円前後
ライン:8本編みPE3号300m、リーダー14号
⇒実勢価格5,000~7,000円前後
青物ジギングにも兼用できる点が魅力です
辛口タックル評価
ロッド:正直なところ必要なパワーは十分に持ち合わせています
ブランクの素材は安くとも、製法は上位機種にも採用されている”ハイパワーX”なので大物をリフトする復元力を持ち合わせています
ガイドもステンKガイド+アルコナイトリングで上位機種に近い操作感です
またジグ対応表記はMAX210gですが、実際は300gくらいまでなら十分使えるのでご安心ください
先調子のテーパーなので、シャクリ時に前腕への負荷が非常に大きいです
グリップ長が短いことも相まって、常に負荷が抜けないので乳酸が溜まります
リール:巻きトルク・ドラグ性能を鑑みてスフェロスSWではなく、やはりストラディックSWを選びたいところです
水深100m以深から200gオーバーのジグもスイスイ巻き上げられます
ギア耐久性もさすがシマノ。よほど変な使い方をしなければ、ギアゴロも出ません
先代のバイオマスターSWも弱点はこの部分です
※おそらくパーツ構成によるドラグ特性
ノブを締め込んでも一度滑り出すと止まりにくい特性は変わらないです
初心者だとドラグを止める判断が出来ないのでファイトが膠着しがちです
マグロに絞った提案
想定サイズ:〜30kg
合計金額…42,000円前後
ロッド:グラップラーBB B60-4
⇒定価20,300円、実勢価格15,000円前後
リール:トリウム2000HG(ノブ変更推奨)
⇒定価29,800円、実勢価格21,000円前後
ライン:8本編みPE4号300m、リーダー18号
⇒実勢価格5,000~7,000円前後
汎用性は低いものの、マグロジギングではやはりベイトタックルが有利です
キハダジギング・ビンチョウジギングどちらでも使えます
辛口タックル評価
ロッド:ブランクについてはグラップラーBBのスピニングと同上です
”青物ベイト”タイプをお薦めする理由はファイト時にロッドパワーを使えるという点です
こちらもジグ対応表記はMAX210gですが300gまでなら問題なくアクションさせられます
ストレートポンピングは終始引っ張り続けるため、初心者だとファイト中に疲労でバテてしまいます
フルソリッドロッド…ロッドを立てられるメリットはありますが、フルソリッドの特性を使えないと魚が浮いてきません
※三重の遊漁船で初心者のフルソリッドは断っているところもあるそうです
リール:実はトリウムはギアのパーツ価格はオシアジガーとほぼ同じです
ーということはギアの耐久性は上位機種と変わらないと言って差し支えないです
鋳物(!?)のメインフレームとベアリング数の少なさで価格を抑えている隠れた実力モデルです
※実際のところ筆者が愛用している03オシアジガーNRよりも遥かに剛性・トルクに優れたリールです(汗
この形状は握りにくく力が入らないので、できれば購入と同時に変更した方が良いです
交換候補は現行ジガーのノブまたはゴメクサス社のノブが良いでしょう
※トリウムのノブはタイプBです。間違えないよう注意
そうなると中古の11オシアジガーと価格が近くなってきます
このあたりは見た目や新品・中古お好きな方で選んでもらえればと思います
フィジカルは必須
条項でも触れましたがタックル性能が劣っている分、当然ですがしっぺ返しはアングラーにすべて跳ね返ってきます
ダイレクトに疲労に差が出るので、体力消耗は上位機種のそれとは比較になりません
マグロジギングは“群れの通過までいかに長時間、誘い続けられるか?”という釣りなので、疲労で休憩することは愚策と言えます
またヒットしても5〜15分のファイトを迫られるので、いずれにしても体力勝負というのは不変です
昨年の御蔵島シーンを中乗りをしている中で見る限り初心者における最強タックルは…
”フィジカル”と”精神力”だと感じています
初挑戦予定の方は“釣り×筋トレ”記事も読んでみてください^^
まとめ
・廉価モデルでも挑戦可
・提案は2パターン
・フィジカルは必須
安価モデルの特徴・長所短所をお伝えしてみました
購入を検討している方には参考にしていただければ幸いです
これで不安になるようであれば、予算を増額して初期装備から上位モデルで揃えることをお薦めいたします^^
上位モデルで購入しておけば、買い替えはないのでお得とも言えますよ!
-という釣具店時代の決まり文句で締めさせていただきと思います(笑
最後までご覧いただきありがとうございました
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