名機13ステラSW14000XGのオーバーホール・セルフメンテナンス

【リールメンテナンス】

今回も友人の機体をオーバーホールすることになったので…

備忘録がてらブログにまとめたいと思います

その堅牢性・耐久性・パワーの3拍子揃った名機“13ステラSW”シリーズ

現場での使用率も多く、キハダ・ヒラマサ・遠征船などでは圧倒的なシェア率です

実はステラSWシリーズはメンテナンス性も非常に高く…

私のようなイジリ系アングラーにはうってつけの機種です

参考にしてオーバーホールするも良し

意外と手間と時間が掛かるから、メーカーに出すのも良し

それでは作業を開始しましょう



必要工具

ある程度、信頼のおけるものを使いましょう

■各種ドライバー■
・+ドライバー…#0、#1
・精密+ロングドライバー…#0-150mm
・トルクスドライバー…T9、T10

必須工具

・メガネレンチ22mm24mmコンビレンチ(45°以上)
・コブラレンチ

メーカーの特殊工具(購入可)

・ドラグ締め付け治具(シマノ純正)
・ローラークラッチカバー(シマノ純正)
・ベアリングリフレッシュキット
→ベアリングの清掃・グリス充填作業に超オススメの器具です

        

ステラSWに必携なものが精密+ロングドライバーです
ボディカバーを外す際に必須で、これがないとボディを開腹することができません

必要ケミカル

・ギアグリス…私の愛用はナスカグリースEP(気温によってハードとミディアムを使い分け)
→シマノ純正グリスの場合はDG13、DG06
・ドラググリス…シマノ純正グリスDG12(DG1)
・オイル…ナスカルブ(ベアリングなどの各部金属面の被膜形成に使用)
・パーツクリーナー…ホームセンターで買える大容量タイプ

         

必要時間

100~200個くらいのパーツの集合体です

スプール(ドラグ)、ローター、ハンドル、ボディ内部…

状態にもよりけりですが、おおよそ2時間~3時間ほど要します

分解作業は15分から20分ほどで完了するのですが…

各パーツの洗浄・グリスアップを行う時間が作業の大半です



分解作業

まずはドラグノブ・スプールを外します

ローターナットカバーを外します
三カ所のビスで止まっています

注意:逆ネジです

メガネレンチ22mmでローターナットを外します(ボックスレンチも可)
シマノのローターナットは逆ネジですので、時計回りにまわしてナットを緩めます

外すとこのようなシルバーのカバーが出てきます

硬く締まっていることが多いです

たいていの場合はものすごく硬く締まっているので、コブラレンチを使って緩めます
コブラレンチが有ると無いとでは、作業効率が全然変わります

クラッチカバーが見えました

少しコツがいります

めくらのゴムキャップがあるので、先端の曲がったワイヤーで取り出しましょう
押し込んでしまうと大変なので、気をつけて外しましょう

+0×150 No.9900を使用しています

この穴の内部に+ネジがあるので、精密+ロングドライバーで外します
ボディカバーのマイナスネジを先に外してから、ゆっくりと緩めていきましょう

ウォームシャフトカバーが見えました

治具がないとクラッチがバラバラになります(汗

このタイミングでクラッチカバーを外します(ビス3本)
ローラークラッチカバーを使ってクラッチ本体を外します
※すいません。画像を取り忘れました

ボディガードの内部ネジは外さなくても大乗です

ボディカバーを留めている4カ所のトルクスネジを外します
右下のみT9で、他3カ所はT10です
※定石通り4カ所を対角線上に徐々に緩めていきます
※初めての分解の場合はネジがロック材で接着されているので、力加減に気を付けましょう

パーツ紛失に気を付けましょう

ウォームシャフトカバー近辺を外します
ベアリングと小さなワッシャがありますので、無くさないように気をつけて外しましょう

ピニオンギアを抜いてから、ウォームシャフトピン・フリーシャフトを外す

腰下の大まかな分解はこんな具合です

まだ分解する部分はありますが、馴れるとここまで20~30分くらいです

※外したパーツは規則性を持たせ、自身の分かり易いように配置すること。
※向きなども毎回同じ方向に向けておくと、再現性の高い作業ができます。
※馴れるまでは、各作業をスマホなどで画像を残しておくと良いです。



【重要】清掃作業

クリーナーとウエス・ブラスを使って、汚れているパーツを清掃します
この時間がほとんどです。ベアリングの清掃・充填作業が地味に時間を要します

小さな溝などに汚れや塩などが堆積しやすいです

ボディ内部はとくにグリスが各所にこびりついているので、きれいにふき取り・清掃しましょう

解放式は開けられます

ベアリングはクリーナーで満たした容器の中に入れて、清掃します
乾燥後にシマノグリススプレーを充填します

摩耗具合は使い方で千差万別

ギアやワッシャーなどは、ベアリング清掃用と別の容器で歯ブラシを使って清掃します

こちらもクリーナーをある程度の液量を入れて作業します

乾燥後にギアの摩耗具合を確認します

グリスは多すぎず少なすぎず

金属パーツなどは気化熱で冷たくなり結露するので、きちんと乾かしておきましょう
他のパーツ洗浄やグリスアップなどで、時間を有効活用すると作業時間の短縮ができます



組み上げは慎重に

ステラSWをバラバラに出来る方なら、組み上げるのはさほど問題はありません
スマホで画像を細かく残しておくと、パーツの向きなどが判らなくなることも減らせます

仕上げ方は個性が出ます

グリスを適量塗布しながら、仕上げていきます

滑らかな回転に復活しました

組み上げたらマイクロセームタオルで吹き上げます
ハンドルを回して、動作の確認をして終了です

動画

動画でも紹介しているので、こちらも参考にしてみてください^^

リールメンテナンス業もやっています^^
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オーバーホールの頻度は?

多い質問です
仕様条件下でかなり差がありますが…
目安として『週一ペースの釣行であれば、2~3ヶ月に一度』で作業しましょう

自身で分解するとよく理解できますが、想像以上に海水に侵されていることが判ります

海水のダメージを未然に防ぐことがリールにとって最善となるので、愛機を労って作業に挑戦してみてください

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コメント

  1. 樫村幸洋 より:

    はじめまして。13ステラ8000をオーバーホールに挑戦中です。わからない箇所があり、質問相談は可能ですか?

    • team246 team246 より:

      樫村さんはじめまして。
      メーカーやショップさんではないので、分かる範囲でしたらお答えします。

      何かありますでしょうか?

      • 樫村幸洋 より:

        返信有り難う御座います。ハンドルのガタツキが出てきまして、シムを足すと、ざらつき感がでます。使っていれば消えるでしょうか?またギア交換でしょうか?クリアランス難しいです。

        • team246 team246 より:

          個人的にはシム調整は、巻き心地の調整パーツという認識です。
          ハンドルのがたつきに関しては、ベアリングやクラッチ、ギアの摩耗具合でも変化がある部分なので追い込むことはしていません。
          小型のステラなどは気になる部分ではありますが…オフショアの使い方だと微妙なクリアランスを追い込むことに重点をおいていないので、プロのチューニングの領域になるかと思います。

          メーカーさんのメンテナンスもハンドルの微妙なバックラッシュ調整はほとんど行わないので、あまり気にしていません。

          回答に成らずすみません。

          • 樫村幸洋 より:

            アドバイス有り難う御座います。気が楽になりました。

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