酷使された《ダイワ》15ソルティガ4500Hをオーバーホールしてみたその②後編

【リールメンテナンス】

前回に引き続き、ソルティガのオーバーホールの様子を書いていきます

■リールの状態■
・持ち主は基本的に使いっぱなしで、メンテナンスは水洗いのみ
・購入から4年は経過しているものの、メンテナンスには一度も出していない
・キハダ・ヒラマサ・GTでのキャスティングで50回以上使われている

外装は各部に塩害がひどい状態でしたが…
その内部はどうなんでしょうか…?

アウトドア&フィッシング ナチュラム



【ボディ分解作業】

浸水も無くきれいな内部

内部は外部に比べて塩の量が少なく、マグシールドの効果が伺えます。

きれいですが、グリス・油分ともにカラカラです

前回の個体はボディ下部に、潮が堆積していましたが…こちらは大丈夫な模様です

・画像を取り忘れて割愛していますが、ダイワリールのボディは超低頭ねじにて固定されています

・恐ろしいほどの量の”嫌気性接着剤”が塗布されており、作業をされる時は細心の注意を払ってねじを緩めてください

・ものすごくネジ山を舐めやすい部分です

ドライブギアはこのような状態でした

グリス量が少なく、油分が飛んでいます

見た感じではサビや腐食などは見当たらず、ギア歯面の状態も良さそうです

グリスの量はこれ以上は危なかった-という感じですね…油気も少なかったです

ここまで割とすんなり進みました

とりあえず大まかな分解作業は終了です

【各部状態確認】

これくらい綺麗だと整備も楽です

ボディの状態は良好です。

多少の汚れ程度で状態は良好

Sカムギアの裏側はこんな感じ

付着しているグリスは白くなっており、若干ですが乳化の傾向が見られます

ピニオンのベアリングは傷みやすい

ピニオンギア廻りはこんな感じ

画像では伝わりにくいですが、グリスの油分が飛んでいました

大丈夫な雰囲気ですが、上下のベアリングはコロついていました
交換が必要なレベルではなかったので、このまま分解清掃です

クラッチの油分はNG

クラッチは若干、海水や乳化したグリスが混入していました

流石ダイワテクノロジー

ローターマグシールドは問題なく膜を保っています



【洗浄作業】

ベアリングの状態が悪い場合はASSY交換です

フリーシャフトをピカピカに磨きます

もちろん各所のベアリングは《ABCホビー》ベアリングリフレッシュキットを使ってピカピカに清掃した後に、ナスカルブを注油します

ベアリング清掃&グリス充填ができる優れものアイテムです

リールメンテナンスをご自身でされる方にオススメですよ^^

          

 

ベアリングがコロつきやすい箇所です

ひどい状態のものはここがやられていますが、まったく問題ありませんでした

センターのベアリングが固着&塩害で外れない機体は危険です…

ここのベアリングも多少のコロつきがありましたが、フィーリングに影響しない範囲でしたのでここも交換せずに作業を進めます

酷いものは錆びて抜けない機体も…

こちらもギア歯面やゴムパッキンに異状も見られず、安心して組み上げられます

清掃後のギア歯面

ドライブギアも良い感じにアタリが出ており良好
※ダイワのギアはシマノに比べて硬度が硬い(!?)のか摩耗状態が進むと回転時のギア鳴りが大きくなります

筒の内部もきっちり清掃します

ピニオンも状態良好です
(クリーナーが完全に乾ききっていないので、水滴がついています)

【組み上げ作業】

グリスは多すぎず少なすぎず

グリスを適宜塗布しながら組み上げます

多すぎるグリスは海水や汚れの温床になります

さくさく組み進めて~

ここのグリス量は人それぞれ個性が出ます

今回はギアグリスに《化研産業》ナスカグリースEPハードを使用しました

メインが『夏の相模湾でキハダを狙う』ということなので…

耐熱性に優れており、固形状態の保持力が高いこのグリスを選びましたした

高温下における”グリス落ち”に強く、ボディ内部が高温になる真夏の釣りにもってこいです^^

               

配合されている極圧剤による被膜効果で、高負荷時のギアへのダメージ減少も狙いです

組み上げはしたものの、異様に巻きが重く…再度分解して作業を再確認

3度ほど組み上げても症状が治らず、迷宮入りしましたが…ハッと思いついた箇所を調整するとスムーズな回転に仕上がりました

これは盲点でした^^;
おかげで良い勉強が出来ました
(錆まみれになっていたあのパーツが原因でした)

【作業後のチェック】

今シーズンの終わり頃に整備作業して、ベアリングを4個ほど交換すればまだまだ使えそうですね

持ち主にも伝えておきましょう

※後半の組み上げ画像は、分解と同様の内容になるので今回は割愛しました

前半の画像で確認できるよう、ダイワのオフショアリールは総じて…

ベイルアームの動きが渋くなり易いです

バネのレートもシマノに比べると弱いです

構造・素材ともに、動きが渋くなり易いので…
頻繁にメンテナンスしておいた方が、キャスト時に集中できると思います

気づいた時に整備しておきたいです

今年はキハダの接岸が遅い(!?)ので、整備に出せる人は今のうちに出しておきましょう



 

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【整備収録機体】
・09ツインパワーSW65000HG
・13ステラSW14000XG
・16キャタリナ6500H
・10ソルティガ5000H
ほか
細かく写真で確認でき、手順もバッチリ掲載されているのでメンテナンス初心者・入門者にも安心の内容です
必要な工具の紹介まで充実の内容で、持っておいて損のない一冊となるでしょう^^

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