”スペーサーラインシステム”自体はショアGTゲームを発祥とし、様々なゲームで発展してきました
ここでは主にオフショアキャスティングゲームにおいての、スペーサーシステムについて解説したいと思います
クロマグロキャスティング、ヒラマサキャスティング、GTキャスティングではすでに多くのアングラーが導入し、その効果を体感しています
ビッグゲームで恩恵
とくに獲物が大きくなるほどにショックリーダーが太くなると、PEラインとの重量差が広がりライントラブルが増えます
※リーダーが射出される速度と、PEラインの射出される速度に差が発生することが原因
また結束部も使われるルアー重量が重いため、ガイドとの摩擦・衝撃が強くなるので一日の中で数回の結び替えが必要となります
これを解消するために生まれたシステムが…
”スペーサーラインシステム”です
これはメインのPEラインにスペーサーとなるPEラインを被せることで、上記の問題が解消し、飛距離まで伸びるシステムとして脚光を浴びています
効果
・エアノット軽減
・飛距離アップ
とくに結束部の毛羽立ちが激減します
一番重量の重くなる結束部をスクラムで保護することにより、毛羽立ちが抑えられます
またPEラインからリーダーへの急激な重量差が少なくなることで、スムーズなガイド抜けになり、エアノットの発生が極めて少なくなります
上記2点の恩恵により、体感できるくらい飛距離が伸びます
用意するもの
・ガリススクラム16(よつあみ)
・裁縫用まち針
・巻き尺
・ハサミ(PEラインが切れるもの)
※シマノのスパシザーがめちゃくちゃオススメです
組み方
①スクラム16を1mほどカットする
(1パケで全長5mなので、5回分を取れます)
②まち針にメインPEを入れる
③スクラムの端糸15cm〜20cm付近からまち針を挿し、PEラインを引き込みます
④まち針を入れればスクラムが膨らむので、そのまま挿し込みます
⑤スクラムの端糸5cm〜6cmまでまち針が来たら、貫通させてPEラインを引き抜きます
⑥以前にご紹介した動画のように摩擦系ノットを完成させる
※リーダーへのハーフヒッチ完了まで組み上げる
⑦スクラムをリーダー方向までしごき、折り返し部をハーフヒッチで留める
その後、スクラムを二重にしてハーフヒッチで編み込む
⑧スクラムの端糸をPE本線にハーフヒッチで編み込んで終了
ノット製作のコツ
・折り返しは頑強に締め込む
ノットのキモはスクラムの折り返し地点での締め込みが甘いと、解けやすく強度が下がるのでスクラムの弛みや締め込み不足など無いよう気をつけましょう
・位置出しが大事
上手くシステムが組めると、70cm〜80cmほどスクラム部分が出来ます
摩擦系ノットの結び目がバットガイドとラインローラーのセンターの位置に設定します
リーダー長は自身が投げやすいリーダー長になるよう調整してカットします
※私の場合は元上ガイド(バットガイドの次)にルアーが来るくらいがちょうど良かったです
・引っ掛かりレス
キャスト時にスクラムがスプールに巻き付かれている状態です。
スクラムのハーフヒッチが気になると思われますが、キャスト時にまったく引っかからないのでご安心ください
・1システム20~30分
スペーサーラインシステム自体は組み上げるまでに時間を要しますが、その後のトラブルが激減するために船上での組み直しが無くなります
ただしオマツリやラインブレイクとなった場合、船上でのスペーサーラインシステムは効率が悪いので組みません
効果は体感できる
一度その恩恵を体感してしまうと、スクラムを入れない理由がないので是非ご体感していただきたいです^^
飛距離が10%~20%くらいは伸びるので、非常に気持ちが良いです
注意:アンダーキャストには効果が少ないです。垂らしを取れるオーバーヘッドでやれる釣り物に限りです
注意:このシステムはリーダーが太い・ルアーが重い状況なほどに効果があるものなので、細い号数では思ったほど効果が得られません
適材適所でシステムを使い分けましょう
参考動画
スクラム16のラインナップは… |
PEラインとの組み合わせ表
■組み合わせるスクラム16の号数目安■
PE5号 | PE6号 | PE8・9号 | PE10号 | PE12号 | |
スクラム16#5号 | ◎ | ◎ | ✖ | ✖ | ✖ |
スクラム16#6号 | ◎ | ◎ | △ | ✖ | ✖ |
スクラム16#8号 | △ | △ | ◎ | △ | △ |
スクラム16#10号 | ✖ | ✖ | 〇 | ◎ | ◎ |
スクラム16#12号 | ✖ | ✖ | ✖ | ◎ | ◎ |
自身のメインPEラインの号数に近い、号数のスクラム16を使います
例)メインPE6号、スクラム16の6号
マグロゲームを極めるなら見ておきたい一冊です |
コメント
突然、失礼します。スクラム16はキャスティングゲームだけにメリットがある訳ではありませんよ。殆どの方がヒロさんと同様なスクラム16の接続方法をされてるようですが、リーダー端糸をカットせずにそのリーダー端糸をも利用することにより、スクラム16の素晴らしさがさらに発揮されます。
トローリング等で使用されてるワインド・オン・リーダーのように、リーダー端糸もスクラム16の中に挿し込んでシステムを組むと、使用されているPE本来の直線強度(平均値)をほぼ100%以上発揮してくれます。またリーダーがスクラム16と一体化するのでノット自体への負担も軽減されノット劣化を防ぎます。(FGノットは、1日中のキャストや大型ポッパーでのダイビング・ロングジャークなどで特に劣化しやすいです。PE本線でリーダー上に組むノットはなんでもよくて、SCノットでも、スクラム16がリーダーと一体化させるので大丈夫です)
私が行った破断テストでは、50cm程度のスクラム16でも、PE6号(平均値40kg)で40kg越えが普通に出てて、最高で49kgも出るともうちょっと前の8号とかの直線強度と同等か、使用されてるノットの種類によってはそれ以上になり、PE6号でも強引なパワーファイトが行えます。スクラム16が50cm程度でもPE本線と一体化してPEワンランクうえのラインシステムが完成します。PE5号(平均値36kg)なら40kg越えも可能かもしれません。勿論、リールドラグやロッドトップでそんな強度にアングラーは耐えられないので必要ないですが、ジギングでもキャスティングでもPEをいまより細くすることが可能になります。
また、これを発展させて、ワインド・オン・リーダーとしてリーダーを事前に複数ストック(号数変えもOK)しておけば、リーダーに傷が入った場合など船上でシステム全体を組み直す必要もなく、ループ・to・ループでリーダーを即取り換えることも可能になります。(PE本線側のループにもスクラム16をかぶせて強度アップしておく必要があります)
アングラーさんたちとの情報共有として、私なりのレビューを公開しておりますが、私が紹介したレザークラフト用の針が売れてるようです。バックマージンを要求したいところ…^^
●キャスティングにおける「スクラム16」を使用したラインシステムの組み方
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R15CFFJ3CT4CU9
貴重な情報を教えてくださり有難うございます
さっそくお教えいただいた情報とワインドオンリーダーも調べて勉強しました
現在、公表されているスクラムのシステムをさらに発展させて強度を出す方法があるとは想像していませんでした
ノットの勉強は常にしないといけませんね(汗
折を見て練習してみます